東京高等裁判所 昭和33年(ネ)158号 判決
一、さきに仮処分によつて職務の執行を停止された取締役、監査役の任期が満了して、社員総会において新たに選任された取締役、監査役がその就職を承諾したときには、右仮処分によつて選任された取締役、監査役の職務代行者を存置するの必要がなくなつたものというべく、しかも仮処分決定によりかかる代行者を定めたときはその後新取締役監査役が選任せられたとしても右仮処分決定が取り消されない限りその職務は依然代行者が執行すべきものであるから、右仮処分は民事訴訟法第七百五十六条、第七百四十七条の規定に従つて事情の変更を理由として取り消さるべきものである。
二、控訴人は、右有限会社解散判決請求訴訟を提起したことを理由として、このような場合役員の改選は許されないから事情の変更はないと主張しているけれども、新取締役監査役の選任が仮処分により制限または禁止されているような場合は格別、そうでない限り有限会社解散請求の訴を提起した場合に、役員の改選が許されないと解すべき何の根拠もない。
(大江 猪俣 沖野)